厚生労働省が取りまとめた「令和6年度 個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表されました。

「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、迅速に解決を図るための制度で、「総合労働相談」、都道府県労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。「個別労働紛争解決制度の施行状況」はその利用件数や利用の要因などを取りまとめた資料となっています。

令和6年度のポイントは下記の通りです。

  1. 総合労働相談件数は高止まり。助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数は前年度より増加。
     ・総合労働相談件数は120万1,881件で、5年連続で120万件を超え、高止まり
  2. 民事上の個別労働関係紛争における相談では「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多。
     ・「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は、54,987件(前年度比8.5%減)で13年連続最多
  3. 民事上の個別労働関係紛争における相談、助言・指導の申出、あっせんの申請の全項目で、「労働条件の引下げ」の件数が前年度から増加。あっせんの申請においては「解雇」が最多となった。
     ・「労働条件の引下げ」の相談件数は、30,833件(前年度比2.0%増加)、
      助言・指導の申出は、1,103件(同7.8%増加し最多)、あっせんの申請は、399件(同5.0%増加)
     ・「解雇」のあっせん申請は、792件(前年度比0.1%減少。最多)

今回の施行状況を受けて、厚生労働省は、総合労働相談コーナーに寄せられる労働相談への適切な対応に努めるとともに、助言・指導およびあっせんの運用を的確に行うなど、引き続き、個別労働紛争の未然防止と迅速な解決に向けて取り組んでいくとのことです。

詳細は下記をご参照ください。

・「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00201.html