厚生労働省から「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」について、これまで10回にわたり行われた議論をまとめた「議論の整理」が公表されました。
本検討会では、医療関係者や医療保険者、被保険者の立場の者、自治体関係者、学識経験者、妊産婦の当事者の参画を得て、多様な観点から議論が行われました。資料では、下記3点を議論の焦点とし、あるべき支援等の方向性、今後の検討課題等が示されています(資料「概要」参照)。

【議論の焦点と支援の方向性】

  1. 費用の見える化を前提とした標準的な出産費用の自己負担無償化と安全で質の高い周産期医療提供
    体制の確保の両立
    →「2026年度を目途に、産科医療機関等の経営実態等にも十分配慮しながら標準的な出産費用の自己負担無償化に向けた具体的な制度設計を進める」
  2. 希望に応じた出産を行うことのできる環境の整備
    →「妊婦が十分な情報に基づき、自己決定・取捨選択を行える環境の整備を推進」
  3. 妊娠期、産前・産後に関する支援等
    →「妊産婦本位の切れ目のない支援体制の構築を進める」

1.については、出産育児一時金を増額後もなお出産費用は年々上昇しており、また、出産費用に地域間・施設間の格差も大きいというのが現状です(出産費用は2022年度48.2万円、2023年度は50.7万円、2024年度上半期は51.8万円と上昇)。妊産婦からも「出産に伴う自己負担が少しでも減ることを望んでいる」等の実際の声が上がっており、出産に係る平均的な標準費用を全て賄えるようにし、実質的な負担の軽減が必要とされています。

そのため、今後のあるべき支援の方向性として、「2026年度を目途に、産科医療機関等の経営実態等にも十分配慮しながら、標準的な出産費用の自己負担無償化に向けた具体的な制度設計を進める」との考えが示されています。具体的な検討会の意見としても「出産育児一時金のさらなる増額も考えられるのではないか」「(出産一時金の増額とは)別の方策を考える必要があるのではないか」等の意見が出されています。

その他の内容も含め詳細は下記をご参照ください。

・妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会 議論の整理|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20241225_00001.html