厚生労働省より、労働基準局の新着の通知「未手続事業主に対する費用徴収制度の運用の見直しについ
て(令和5年基発0720第1号)」が公表されました。保険関係成立届の提出を行わない未手続事業主の
存在は、労災保険制度の運営上大きな問題であり、事業主間の費用負担の公平性の確保という観点からも
早急に解消を図る必要があることから、これまでも積極的な加入勧奨等が行われるも、今なおその数は約
54万件に上ると推定されています。こうした背景等から労災保険の費用徴収制度について、未手続事業主
に対する制度の運用を見直すこととされました。主な見直しの内容は、以下です。
事業主の故意の認定
保険関係成立届の提出について行政機関からの指導等を受けたことがある事業主であって、その提出を行っ
ていないものについて、現行の取扱いでは「故意又は重大な過失」と認定した上で、費用徴収率を40%と
しているが、この取扱いを改め、「故意」と認定した上で、原則、費用徴収率を100%とする。
事業主の重大な過失の認定
保険関係成立届の提出について行政機関からの指導等を受けたことがない事業主であって、保険関係成立日
以降1年を経過してなおその提出を行っていないものについて、原則、「重大な過失」と認定した上で、費
用徴収の対象とする。また、この場合の費用徴収率は40%とする。
費用徴収の対象となる保険給付
現行の取扱いでは、当該事故に関し、保険関係成立届の提出があった日の前日までに支給事由が生じた保険
給付(療養開始後3年以内に支給事由が生じたものに限る。)を費用徴収の対象としているが、この取扱い
を改め、当該事故に関し、保険関係成立届の提出があった日以後に支給事由が生じた保険給付も費用徴収の
対象とする。
詳細は以下をご参照ください。
・<未手続事業主に対する費用徴収制度の運用の見直しについて(令和5年基発0720第1号)>