2023年5月12日、参議院本会議において、出産育児一時金増額の財源の一部を後期高齢者医療制度でも
負担することなどを盛り込んだ「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等
の一部を改正する法律」が成立しました。改正のポイントは以下です。

●【改正の概要】(詳細は資料をご参照)
1. こども・子育て支援の拡充(健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に
関する法律等)
・出産育児一時金の支給額を引き上げる(42万円→50万円:政令にて実施済み)とともに、支給費用
の一部を現役世代だけでなく後期高齢者医療制度も支援する仕組みとする。
・産前産後期間における国民健康保険料(税)を免除し、その免除相当額を国・都道府県・市町村で
負担することとする。
2.高齢者医療を全世代で公平に支え合うための高齢者医療制度の見直し(健保法、高確法)
・後期高齢者の医療給付費を後期高齢者と現役世代で公平に支え合うため、後期高齢者負担率の設定
方法について、「後期高齢者一人当たりの保険料」と「現役世代一人当たりの後期高齢者支援金」
の伸び率が同じとなるよう見直す。
・前期高齢者の医療給付費を保険者間で調整する仕組みにおいて、被用者保険者においては報酬水準
に応じて調整する仕組みの導入等を行う。健保連が行う財政が厳しい健保組合への交付金事業に対
する財政支援の導入、被用者保険者の後期高齢者支援金等の負担が大きくなる場合の財政支援の拡
充を行う。
3. 医療保険制度の基盤強化等(健保法、船保法、国保法、高確法等)
・都道府県医療費適正化計画について、計画に記載すべき事項を充実させるとともに、都道府県ごと
に保険者協議会を必置として計画の策定・評価に関与する仕組みを導入する。等
4.医療・介護の連携機能及び提供体制等の基盤強化(地域における医療及び介護の総合的な確保の
促進に関する法律、医療法、介護保険法、高確法等)
・かかりつけ医機能について、国民への情報提供の強化や、かかりつけ医機能の報告に基づく地域で
の協議の仕組みを構築し、協議を踏まえて医療・介護の各種計画に反映する。等

詳細は以下をご参照ください。
・<全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する
法律案(2023年2月10日提出)>
(概要)https://www.mhlw.go.jp/content/001056106.pdf
(法律案要綱)https://www.mhlw.go.jp/content/001056108.pdf
(法律案新旧対照条文)https://www.mhlw.go.jp/content/001056111.pdf