厚生労働省から、2022年10月13日に開催された「第155回 社会保障審議会医療保険部会」の資料が
公表されました。今回は医療保険制度改革などが議題となっています。
   そのなかでも、出産育児一時金の額については、岸田総理が引き上げを明言していますが、その額をどの
ように考えるかが論点となっています。
   会議資料では、出産費用に関する統計などが公表されています(資料1-2〈出産一時金について〉ご参照)が、
「公的病院・正常分娩 都道府県別出産費用(2021年度)」によると、現在の出産育児一時金の額(原則42万円)
ですが、公的病院での正常な出産時にかかる費用の全国平均は45万4,994円(前年度比2,706円増)となっており、
出産一時金の額を上回っています。(資料1-2 10頁ご参照)
   また、都道府県による出産費用の差が大きいことがわかります。
<東京都56万5,092円(最高)、鳥取県35万7,443円(最低)>

 このような状況ともに、出産育児一時金の引き上げの財源についても問題とされています。
   現在、後期高齢者は、現役世代の保険制度とは独立した医療制度となっているため、出産育児一時金の費用
を負担していませんが、この費用を医療保険制度全体で支え合うべきという意見(75歳以上の高齢者にも負担
してもらう案)があり、それをどのように考えるかが論点となっています。


◆出産育児一時金に係る論点については、以下のとおりまとめられています。(資料1-2 24頁)
〇出産育児一時金の引上げを検討するに当たって、その額をどのように考えるか(施設種別、費目、地域に
   よる出産費用の違い等を含め)。
〇現在、後期高齢者は、現役世代の保険制度とは独立した医療制度となっているため、出産育児一時金の費用
   を負担していないが、当該費用を医療保険制度全体で支え合うことについて、どのように考えるか。
〇今回の調査結果においても出産費用やサービスの見える化に対するニーズが明らかになったことを踏まえ、
   妊産婦が適切に医療機関を選択することができるよう、受けるサービスに応じた出産費用の見える化につい
てどのように考えるか。

今後の動向に注目です。

 詳細は以下をご参照ください。
社会保障審議会医療保険部会資料 (mhlw.go.jp)