厚生労働省より、2023年度の「過労死等の労災補償状況」が公表されました(6月28日公表)。これは、
過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況
について、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数などを取りま
とめたものです。
過労死等(脳・心臓疾患と精神障害)に関する事案の請求件数は、4,598件(前年度比1,112件の増加)、
支給決定件数:1,097件(前年度比193件の増加)となっています。脳・心臓疾患と精神障害に関する事案
のそれぞれのポイントは下記です。
【ポイント】
○脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
・請求件数は1,023件(前年度比220件の増加)、支給決定件数は214件(前年度比20件の増加)。
*業種別では「運輸業、郵便業」が請求件数244件、支給決定件数75件で共に最も多い。
○精神障害に関する事案の労災補償状況
・請求件数は3,575件(前年度比892件の増加)、支給決定件数は883件(前年度比173件の増加)。
*業種別では「医療、福祉」が請求件数888件、支給決定件数219件で共に最も多い。
・出来事別の傾向
支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が157件、
「業務に関連し、悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が111件、「セクシュアルハラスメントを受
けた」の103件の順に多い。
特に、精神障害に関する事案の支給決定の件数が増加し、5年連続で過去最高となっており、その出来
事別ではパワーハラスメントが最も多くなっています。
詳細は下記をご参照ください。