労働政策審議会は、労働政策審議会労働政策基本部会がまとめた報告書「~変化する時代の多様な働き方に向けて~」
について審議し、了承しました。
 「加速する社会・経済の変化の中での労働政策の課題~生産性と働きがいのある多様な働き方に向けて~」
を大テーマとして、2022年2月より9回にわたり、今後の労働政策の課題について、労働政策基本部会委員
・有識者のプレゼンや、企業のヒアリングを交えながら議論を深めてきた内容がまとめられました。
「社会・経済の現状と課題について」「働き方の現状と課題について」が述べられた後、下記のように
「今後の労働政策の方向性」が示されています。

●今後の労働政策の方向性について
(1)企業に求められる対応
・リスキリングの必要性を明確にした上で、経営者、マネージャー、現場労働者の全てのレベルで、リスキ
リングを含めた能力開発に主体的に取り組んでいくための動機付け・環境整備が必要。等。

(2)労働者に求められる対応
・長期雇用を前提とした企業では、企業が広い人事権を持って人事異動やOJT中心の人材育成を実施して
おり、企業との長期的な関係により、労働者が自律的にキャリア形成していくという意識が薄れる可能性も
ある。労働者自らが自律的にキャリア形成や学びを深めていくことが必要。等

(3)労働政策において今後検討すべき対応
・多様な人材が能力を発揮できるよう、女性や高齢者などの働き方に中立的な税制・社会保障制度の構築や、
雇用によらない働き方など様々な働き方の人を重層的なセーフティネットに組み入れていくことが課題。
・今は労働政策の大きな転換期にあり、従来の「安全・安心」を重視する対応に加え、「労働市場のセーフ
ティネットを整備しつつ、労働者のスキルアップ・向上を目指す」ことを重視していくべき。等

(4)社会全体に求められる対応
・一人ひとりの労働者が自律的にキャリアについて考える方策を社会全体で危機感を持って検討していく
ことが必要。
・リスキリングについての支援も、労働者一人ひとりが力強く成長できるよう、個人への直接支援が重要。

労働政策基本部会では、労使において課題の共有がなされ、また、労働政策審議会の関係分科会や部会等
においても、速やかに必要な施策が検討されることを求めたいとしています。

詳細は以下をご参照ください。
労働政策審議会労働政策基本部会 報告書 ~変化する時代の多様な働き方に向けて~ (mhlw.go.jp)