出産育児一時金増額の財源の一部を後期高齢者医療制度でも負担することなどを盛り込んだ「全世代
対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案(2023年2月10
日提出)」が、2023年4月13日の衆議院本会議で可決され、法律案の審議は次に参議院に移行となりまし
た。成立の場合、高所得の後期高齢者の方は大幅な負担増となることが見込まれ、注目度が高い改正法案と
なっています。


改正案の概要は、

●【改正案の概要(抜粋)】
1.こども・子育て支援の拡充【健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する
法律等】
・出産育児一時金の支給額引き上げ(42万円→50万円)、支給費用の一部を現役世代だけでなく後期高齢者
 医療制度も支援する仕組みとする
・産前産後期間における国民健康保険料(税)を免除し、その免除相当額を国・都道府県・市町村で負担する
2.高齢者医療を全世代で公平に支え合うための高齢者医療制度の見直し【健保法、高確法】
・後期高齢者の医療給付費を後期高齢者と現役世代で公平に支え合うため、後期高齢者負担率の設定方法に
 ついて、「後期高齢者一人当たりの保険料」と「現役世代一人当たりの後期高齢者支援金」の伸び率が同じと
 なるよう見直し。
・前期高齢者の医療給付費を保険者間で調整する仕組みにおいて、被用者保険者においては報酬水準に応じて
 調整する仕組みの導入。
・健保連が行う財政が厳しい健保組合への交付金事業に対する財政支援の導入、被用者保険者の後期高齢者支
 援金等の負担が大きくなる場合の財政支援の拡充。
3.医療保険制度の基盤強化等【健保法、船保法、国保法、高確法等】
・都道府県医療費適正化計画について、計画に記載すべき事項を充実させるとともに、都道府県ごとに保険者
 協議会を必置として計画の策定・評価に関与する仕組みの導入など。
4.医療・介護の連携機能及び提供体制等の基盤強化【地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関
する法律、医療法、介護保険法、高確法等】
・かかりつけ医機能について、国民への情報提供の強化や、かかりつけ医機能の報告に基づく地域での協議の
 仕組みを構築し、協議を踏まえて医療・介護の各種計画に反映など

詳細は以下をご参照ください。
・〈概要〉
https://www.mhlw.go.jp/content/001056106.pdf
・〈法律案要綱〉
https://www.mhlw.go.jp/content/001056108.pdf
・〈法律案新旧対照条文〉
https://www.mhlw.go.jp/content/001056111.pdf