厚生労働省より「2023(令和5)年度 個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表されました(7月12
日公表)。「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐ
るトラブルを未然に防止し、迅速に解決を図るための制度です。総合労働相談コーナーでの専門の相談員
が対応している「総合労働相談」、都道府県労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あ
っせん」の3つの方法があります。2023年度の施行状況のポイントは下記です。
【2023年度の施行状況のポイント】
●「総合労働相談」件数は121万400件で、4年連続で120万件を超え、高止まりとなっている。
「助言・指導」の申出件数と「あっせん」の申請件数は前年度より増加している。
●民事上の個別労働関係紛争における「相談」、「あっせん」の申請では「いじめ・嫌がらせ」の件数が
引き続き最多であり、その「相談」の件数は60,113件で12年連続最多、「あっせん」の申請件数は
800件で10年連続最多である。
●民事上の個別労働関係紛争における「相談」、「助言・指導」の申出、「あっせん」の申請の全項目で、
「労働条件の引き下げ」の件数が前年度から増加している。この「労働条件の引き下げ」について、
・「相談」の件数は、30,234件(前年度比6.9%増加)。
・「助言・指導」の申出件数は、1,020件(同26.7%増加し最多)。
・「あっせん」の申請件数は、380件(同20.6%増加)。
2023年度でも「いじめ・嫌がらせ」の件数が多いですが、これに加え「労働条件の引き下げ」の件数が
前年度から増加しているのが特徴です。資料の別添3(17頁)の2023年度の助言・指導とあっせんの事例
にて、その具体的事例も記されています。
その他の内容も含め、詳細は下記をご参照ください。